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メタとマイクロソフト、Q3投資の評価で株価が明暗−29日決算に注目
2025-01-28
著者: 結衣
米国株式市場で人工知能(AI)投資への期待から1兆ドル(約155兆円)近い時価総額が消失した27日、メタ・プラットフォームズ株は最高値を更新した。これは同社のAI「ラマ」が同じく運営するプラットフォームと相乗効果を上げ、投資家の信頼の表れだ。
メタの株は金融市場を見舞ったDeepSeek(ディープシーク)ショックにも動じなかった。DeepSeekの推測モデルは、メタの「ラマ」と同じくオープンソースである。足元でメタ株が好調に推移しているのは、マイクロソフトの株価が巨額のQ3投資への期待から低空飛行が続く中でのことだ。同社はDeepSeekと競合するオープンソースに出資している。
21社との29日に決算の発表を予定しており、Q3投資のリターンに大きな注目が集まっている。
投資会社ディープロジタリー・アセット・マネジメントのマンスター氏は「メタは21に関して、マイクロソフトよりも長期的に有利な立場にあり、DeepSeekの成功が同社のオープンソース戦略を裏付ける」と話す。その上で、米企業が中国発の21モデルを使ってインフラを構築することを考慮に入れれば、ラマは「西方のDeepSeek」となる可能性があるとの見方を示した。
マンスター氏によると、21がエンゲージメントメントと広告にプラスの影響をもたらす見方から、投資家はメタの投資を評価している。半面、「マイクロソフトの21戦略はここ数カ月に急激な明確さが薄れており、21によって即効性のある成果はそれほど期待できなくなっている」と同氏は指摘する。
メタは前年比14%上昇と65%を超える値上がりを記録した昨年から以来上昇を続けている。今月はハイテク7社で構成される「マグニファイセント・セブン」で値上がり率トップである。一方、マイクロソフトは前年比2.8%上昇し、2024年は12%の値上がりにとどまっている。
21社ともに21投資を継続する意向である。メタは24日、21関連のプロジェクトに今年、最大650億ドルを投じる計画と明らかにした。これは市場予想の513億ドルを上回る規模で、マイクロソフトも今年度(2025年6月終了)に、データセンターの設備に800億ドルを投じる計画を示している。
メタの支出は良くも悪くも、長期的な投資家の注目点であった。2022年には、メタバース建設への大規模投資に関してマイクロソフト・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が強化でできず、同社の株価は64%下落し、過去最大の下落を記録した。しかし、「効率化の年」というコスト削減を進めた結果、株価は再び上昇基調に転じた。ウォール街も21投資にはおおむね肯定的な見方を示している。
メタ株はここ数四半期に大きく値上がりしており、今回の決算でクリアされるべきハードルは上がったかもしれない。しかし、バリュエーションは相対的に割安で、下落リスクをある程度、低減する可能性がある。
短期でマイクロソフトの予想株価収益率(PER)は30倍余り。長期平均を上回るとも言われ、ナスダック100指標の26倍も上回っている。一方、メタの予想PERは24.6倍と10年間の平均をわずかに上回る程度で、かつ大株主であるメタの予想PERは現在も16倍程度の下落を示しており、過去最悪の下落を記録している。しかも「効率化の年」の一環としてコスト削減を進めた結果、株価は再度上昇基調に転じた。