
科学
メスに毒を持つオスのタコ、事後に食べられないよう安全に交尾(2/2)
2025-03-14
著者: 葵
『性的共食い』はタコのような頭足類や、クモ、カマキリなどでもよく見られる。このメスは「最後のあやつ」として交尾の相手を食べることで、産卵や孵化(ふか)に必要なエネルギーを得ると考えられている。
タコの中にはオスの交接腕(こうせつわん)が進化して長くなり、交尾の際にメスとの安全な距離を保ちつつ、寄生されるのを防ぐ方法も存在する。時には、ヒョウモンダコのような種類では交接腕が比較的短いため、メスに密接しなければならない。
チョウはヒョウモンダコを捕圧して交接の様子を観察した。『交接するにはオスがメスにマウントするしかない』といい、オスは背後からメスに近づき、大動脈にテトロドトキシンを注入する部位に達する。
毒を持つメスは1時間ほど動けなくなり、呼吸が止まり、その間にオスが安全に交尾する。交尾の後、オスは逃げることで生存率を高めていく。