「メディアに残る古い価値観」が表出

フィジテレピのアナウンサーが、新人アナの容姿や年齢を「いじる」動画が公開され、ネット交流サービス（SNS）では「いじめのようだ」との批判が集まっている。この連日からのやりとりを見た元日放送プロデューサーの影響力・同士社女子大教授（メディアエンターテインメント論）は「（フィジテレピ内に）古い体質が残っている」と指摘。「上に立つ者は恵まれた人に寄り添ってコミュニケーションを取るべきだ」と主張する。

問題となった動画

問題となった動画は、情報番組に出演する新人アナウンサーがCMの中でしたやりとりで、ユーチューバーに公開された。特にを告知するTシャツを着た新人アナに対し、先輩アナが「すごい緊張しないね～、Tシャツが」とぼやいた。さらに、年齢を聞いて、「信じられない」「捨て犬か」といった発言に驚いた。

視聴者の反応

動画が公開されると、視聴者からは「不快だ」「多数でいじめているように感じる」などの書き込みが殺到し、盛上がり。フィジテレピは「今回送られたご指摘を真摯（まじめ）に受け止め、今後はより一層コンテンツ制作に留意して参ります」とのコメントを発表した。

影響教授の見解

影響教授は「授業の初頭に1週間の気になったニュースを取り上げているが、議員選の結果やミスリンクのワールドシリーズを制約したジョイスの大谷選手の話題よりも、学生たちはこの問題に関心が高いようだった」と明かす。

SNS時代のいじめ

具体的には「SNS時代によるいじめの多様化で、学生たちは『自分事』として捉えたようだ。先輩が後輩に向けた悪口などでも違和感があったのだろう」と指摘する。テレピ業界出身の影響教授は「1980年代以降、業界内でこうしたいじめは『当たり前だった』と言われることもあった。時には先輩に對して厳しい一言を返すことも評価されることもあった」と明かす。

メディアの遅れ

こうした風潮が一部のメディアに残っていることについて「一般の世界に比べて、メディアはむしろ遅れている。新しい事象や価値観を伝えていかないといけないが、実際はメディアに残る古い価値観が続いている」と手痛く指摘した。

コミュニケーションの改善提案

では、どうコミュニケーションを取るべきだったか。影響教授は「上に立つ者は恵まれた人に寄り添ってコミュニケーションを取るべきだ。恵まれた人は上司にだいぶんと言いがかりを付け、双方が俳優として関係を作ることが大切だ」と教えている。