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MAで不適切な買い手仲介、初の取締処分 中小企業庁、社名も公表:朝日新聞デジタル

2025-01-24

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中小企業庁は24日、M&A(企業の合併・買収)の仲介業者などの登録制度を設け、1社の登録を取り消したと発表した。買い手を「不適切な事業者」と認識した上でM&Aを成立させたとして、社名も公表した。取り消し処分は2021年に制度ができてから初めてである。

24日発表で登録を取り消されたのは、18年設立のM&A DX社(東京都港区)。代表者は公認会計士の藤田壮介氏で、M&A支援に特化する実業者は昨年2月時点で57人とされている。少なくとも8ヶ月間は再登録を認めない。

朝日新聞は同社にコメントを求めたが、回答を得られなかった。

中小企業庁が確認した同社の仲介事例では、買い手に対して買収資金が捻出できない疑いがあることを伝えず、結果的に株式売買も成立しなかった。専門家である第三者委員会にも疑問視され、登録業者が守るべきガイドラインで定めた義務に反することを判断した。

武蔵野市の針治療産業者は24日の会見で、「今後もガイドライン違反が確認された場合は登録の取り消しも含めた措置を講じていく」と語った。

中小企業庁は業界の信頼を高めるために、このような厳格な管理を行うと強調している。昨今、M&A市場は非常に活況を呈しており、適切な仲介業者の選定は特に重要視されている。