理系大学院生が挑んだ「超理系の試験」の結果とは!?
2024-12-19
著者: 弘
驚愕の大学院生の公演に大興奮!
30分の試験を終えた後には、いよいよ本日の「目玉テーマ」のスタートです! つまり「元素検定」、検定だけではなく専門家による「元素のお話」も聞けることができるんです! 今回、講演してくださるスピーカーは「一家に一枚周期表」を作成された勇先生です! 元素検定に向けて「一家に一枚周期表」も使いながら強化された身から出ると、本当に嬉しい講演です。
元素発見の歴史から、日本で発見された元素の話、さらには「周期表はどこまで続くのか……?」という興味深いお話まで! お話によると、知識化学的には原子番号172まで延長が可能だろうと言われています。
元素のお話を聞いた30分はあっという間でした。ただ有機化学を学んでいるゆえ、別の意味でも勇先生の講演を楽しみにしていました。 というのも、勇先生は有機化学において非常に重要な反応を開発した大先生であるからです。
「クロスカップリング反応」の概念
有機化学の分野において、「鈴の式」として知られる反応系を組み合わせることは非常に重要です。これを実現したのが、勇先生であり、この反応系において非常に重要な概念は「クラスター分解」と呼ばれる手法です。 今でこそポンブロンド環同士を繋げる反応が数多く開発されていますが、カップリング反応が開発される前はこの化合物を得るのが非常に難しい時代でした。1972年、勇先生は「熊野-勇-Corriuクロスカップリング反応」としてその反応を報告します。これは「クロスカップリング」の先駆者になったと言われており、この分野において非常に重要な反応です。その後も、たくさんの有機化学者によって様々なクロスカップリング反応が開発されてきました。
つまり「炭素」が作る化合物の種類は無限であると紹介しましたが、勇先生やその時代の有機化学者が創造した「クロスカップリング反応」はその可能性を確実に広げました。今まで作ることができなかった薬剤や化学素材といった有用な化合物が次々と合成されるようになったのです。 勇先生は有機化学を強化するものなら、知っている人は居ないと言われるくらいの大先生です! こんな理由で、私の中では勇先生は「一家に一枚周期表」よりも、このカップリング反応の開発者として名を馳せていることの方が強くありました。
さて、今回の元素検定の結果は勇先生と知り合った際に、驚きましたし、本当に楽しみでした。 なので、今回の講演の「元素のお話」も大変趣深かったのですが、欲を言うとクロスカップリング反応の話も聞きたかった……というのが本音なんです! こんな大先生の講演を聞くことができるのも「元素検定」の魅力ですね!