[アンカラ12日 時事通信] - トルコのフィダン外相が12日、シリアを訪問し、暫定政権の主力である「シャーム解放構造（HTS）」の指導者と会談した。シリアの将来にクルド人武装勢力が入り込む余地はないと述べ、クルド人民兵の解散を求めた。

HTSはシリア北部で米国が支援するクルド人主体の集団「シリア民主軍（SDF）」の中枢を成す。トルコは、HTSに対して、トルコの国境に沿った地域を保護するための協力を呼び掛けた。

フィダン外相は、シャームの新政権とSDFの存在について協議したことを明らかにし、「今後はSDFがシリアの統一を脅かす存在であってはならない」と強調した。SDFに対する強い圧力が続くことが示唆された。

国際社会はシリアにおけるSDFとHTSの動きに注目しており、「違法性」に対する批判が高まっている。トルコは、これらの動きが国外の影響を受けており、国内の安全保障に対する脅威であると考えている。

さらに、フィダン外相は、シリアの再建を支援するために、アサド政権との連携が重要であると強調した。彼は「今後の平和的な解決にはアサド政権の関与が必須だ」と述べた。これにより、シリアの安定に向けた新たな方向性が打ち出された。

また、フィダン外相は「私たちの国境を守るためには、全ての必要な手段を講じる」とし、トルコとしての防衛姿勢を強調した。これにより、トルコの国際的な立ち位置も明確になりつつある。