コスト高と「1000円の壁」が足かせに…「前年対比超の急増」ラーメン店の廃業が過去最多を記録
2025-01-19
著者: 結衣
日本データバンクは2024年のラーメン店の廃業動向を公開した。昨年廃業したラーメン店業者(負債1000万以上、法的整理)は72件と過去最多を記録した。
その背景には人件費や電気代、原材料コストなどが高騰している一方、「ラーメン1杯=1000円の壁」に代表される価格転嫁の難しさから、閉店を余儀なくされるケースが多く見られた。
業績が悪化した店舗数はコロナ後の2020年度に次いで2番目に高く、2023年度に「業績悪化」としたラーメン店は61.5%(「赤字」が33.8%、利益の減少を示す「減益」が27.7%)に達している。コロナ禍の影響を受けた20年度の81.0%に次ぐ、過去20年で2番目に高い水準となった。
今回の業績悪化・廃業について、原因の一つとなるのが原材料の高騰。日本データバンクでは各種統計情報を基にラーメンで使用する原材料のトータルコスト推移を試算。
2024年平均(10月まで)の原価は22年平均比で1割超増加し、豚肉や背脂、麺やのり、スープや器材に至る幅広い原材料の価格が大幅に引き上がったと報告された。
また、コスト高に伴いメニューの価格が追い付きつつあるものの、ラーメン1杯の全国平均は700円を下回る水準が続いているとも指摘。トッピングなしで1杯当たり1000円を超えると顧客が遠のくというラーメン業界。適正価格の形成が難しいことも、利益確保が年々難易度を増している要因となっている。
SNSユーザーからは「外食がここまで安いのは異常なんよ」といった意見も
ラーメン店の廃業件数が過去最多との報告にSNSユーザーからは「外食がここまで安いのは多分やりすぎ」「1000円超えだったら別のコスパのいいのを選ぶ」といった意見が寄せられる。私もランチとかでラーメン選ばなくなったし」などの声が散見された。
日本データバンクではレポートにて「ラーメン業界では、各種コストの増加分を転嫁できない中小店を中心に、2025年も廃業増加のトレンドが続く可能性がある」ともコメントしている。