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コロナ禍の体温測定や“積雪発電”で注目のスタートアップ破綻に驚きの声 「フォルテ(青森市)」が破産手続き開始決定(青森発送)

2025-04-07

著者: 芽依

「積雪発電システム」の実証実験などを行っていた青森市のIT企業フォルテが破産手続き開始決定を受けました。注目されたスタートアップ企業の破綻に対しては、業界から驚きの声が上がっています。特に、昨年末にはスノーリソースとしての積雪活用が盛り上がり、フォルテは23年2月の青森地方裁判所で破産手続きの申請を行ったことが報じられました。破産理由としては、経済情勢の悪化や資金調達の難航が挙げられています。2005年に設立されたフォルテは、AIを活用したシステム開発や商品開発への取り組みが評価されていました。

★「体温は正常です。通過してください」

コロナ禍では、体温測定技術の需要が高まっており、人々の生活にも大きな影響を与えました。フォルテは、この需要に応える形で顔認証システムを組み合わせた体温測定システムを開発し、地域内外で使用されていました。さらに、近年では雪を利用した新しい発電方式「積雪発電」も研究・実証されており、注目を集めていましたが、経済の厳しい現状が影響したようです。

また、昨年は自然エネルギー分野のスタートアップが注目されており、多くの企業が雪や氷を利用した新たなビジネスモデルを模索している中での破綻でした。コロナ禍での新たなビジネスモデルの進展が期待されていたものの、資金調達の壁が大きな障害となり、赤字を抱えた状態が続いていました。青森商工会議所の関係者は「青森の可能性を秘めた新たな産業を創出する企業であっただけに残念だ」と語っています。

青森市は今後、フォルテの持つ技術やノウハウを引き継ぐ企業を支援する方針を示しており、地域経済の回復に向けた取り組みが注目されています。次なる青森のスター企業はどこになるのか、多くの期待と注目を集めています。