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「これはあかん」ゴジラの権利を異例の買い戻し 東宝が描く海外戦略:朝日新聞
2025-04-06
著者: 海斗
2015年、東宝の海外担当役員をしていた松岡豊(58、現社長)はある日、社外で会議を終えた後に駐車場で、当時社長だった島谷能成(73、現会長)からそう切り出された。
前年に公開されたハリウッド版の映画『GODZILLA ゴジラ』は、世界での興行収入が500億円を超える大ヒットだった。しかし、日本で配信を手がけた東宝も儲かったが、興行収入の大きさに対して世界でのグッズなどの売り上げが少ないことに、島谷は激怒していた。
理由は、世界でグッズを開発・販売するための「商標化権」について10年ほど前に売却してしまったからだった。相手は、ハリウッド版ゴジラを制作した米映画会社レジェンダリー・ピクチャーズである。
この異例の買い戻しが実現した背景には、東宝が自社のコンテンツを再評価する新たな戦略があった。近年、アニメや特撮など日本のコンテンツが海外で評価される中、ゴジラもその一環として再びグローバルな展開を目指している。そのため、商標権の買い戻しは必須だった。
現在、東宝はゴジラの関連商品を増やすため、海外市場でのマーケティングを強化している。特に、北米やアジア市場に注力し、映画を通じて掴んだファン層をターゲットにしている。また、新作映画や新しいメディア展開を通じて、グッズの需要を増やそうとする挑戦が続いている。
引き続き、東宝の挑戦に注目が集まる中、今後のゴジラシリーズの展開や新たな商品ラインの発表が期待されている。ついに、かつての栄光を取り戻す時が来るのか、ゴジラファンからの待望の声が高まっている。