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コラム:円高の背景に必要な改善、金利差に依存しない考察を=唐鎌大輔

2024-09-24

【東京 12月14日】 - 注目された日米の金融政策決定会合を経て、ドル/円相場は依然として114円台前半で推移している。市場で当初懸念されたものの円高・ドル安は進んでいない印象だが、今年度中は日米金利政策格差を意識した動きが続くそうである。すでにそういった動きはあるが、今後ますます「やはり円安は全て金利差で説明可能だった」という論調が強くなる。

円高の背景に必要な改善

過去にも論じたが、ドル/円の方向感を規定する説明変数として日米金利差が重要であることは確かだ。筆者は需給構造の変化を注視すべきと主張してきたが、方向感を規定する金利差の重要性は一度もない。それが因果関係なのか、相関関係なのかという根本的問題に疑義があるが、金利差とドル/円相場が安定した関係にあることは確かである。したがって、111円付近から116円高の原因を考えるとしても、無理があるのではないかと思う。従って、円高以外の説明変数には何があるのか。この国際競争力を規定する環境であったり、消費者物価指数(CPI)などに影響を受ける可能性があるが、国内の政治・経済環境に影響を与える要因は多岐にわたる。最近では、外部環境の影響で日本製品の輸出が増加するといった見方が広がっており、こうした需給の改善により円高に寄与することが期待されている。

さらに、これを支える要因として、各国ともにインフレ圧力が顕著に表れていることが挙げられる。材料費の高騰や労働市場の逼迫は、だからこそある程度の金利上昇が求められる背景である。このように、円高が一時的なトレンドではなく、持続的なものかどうかを注視する必要がある。

円高の持続性がますます深刻に

その上で、円高の進行がこの国にとって好ましいのか、今後の経済成長にはどう影響を与えるのかが焦点である。すでに日本経済は物価上昇圧力の強まりに直面しているが、この国際競争力を高められる材料を用意しなければならない。これが今後の日本の責任であり、積極的に実施すべきである。

したがって、国際的な視点から見て円高の持続には注視していく必要がある。一方で、国内外の動向にも目を向けながら、円高が金利政策にどう影響を及ぼすか、果たして持続可能なのか、その判断をする時期に来ている。さらに、円安が持続することにより国内の経済成長が促進されるのか、逆に影響を受けるのか、その両面を考えていかなければならないだろう。これに加え、世界の中で日本がどのように存在感を示すのか、今後の動きが重要だ。