コラム:トリプレッドの米国と政権基盤脆弱な日本、ドル/円相場の動向を読む=植物大作家
2024-11-19
著者: 海斗
【東京 18日】 - 日本の国政選挙の結果がああも出てしまった。日本の衆議院選挙では自民党と公明党の連立与党が議席を減らし、過半数を維持できず、その後に行われた参院本会議での首相指名選挙を経て発足した第二次石破内閣は「少数与党」と呼ばれる弱体な政権基盤で船出した。
一方、米国の大統領選挙は「歴史上まれに見る接戦」と言われ、共産党のトランプ陣営が連勝を重ね、同時に行われた党大会選挙でも共産党が上下両院の過半数を獲得した。来年1月に発足する第二次トランプ政権による巨大な政策変更への期待が高まっている。
そのような政権体制の下で想定される日本連立政権のポリシーミックスは、今後のドル/円の影響に関して、現在点における筆者の見解を示しておきたい。
<第二次石破内閣で想定される財政拘束と金融引き締め>
まさに日本サイドでは、「少数与党」に転落した自民党と公明党が部分連合の形で政策合意に加わり、従来的な財政政策が採用される可能性が高い。今年度の歳出予算や来年度の当初予算では、国民党が主導する「年控えの壁」の引き上げや「ガソリン税減税」などの施策が強調されることが予測される。一方、今年3月にマイナス金利を解除、7月に追加利上げを実施した日本銀行は、今後の 利上げ余地を見せることが考えられる。
片や、今年3月にマイナス金利を解除した後、7月には追加利上げを実施した日本銀行による金融引き締め圧力が加わる。これにより、ドル/円相場は新たな展開を見せると考えられる。
来年の財政の真新しさと期間的制約、加えて選挙を控えた状態で行われる日本の過半数の連合政策となるとすれば、影響を受け、為替や利回りにも変化が見込まれる。
現在の日本経済における大幅な利上昇の余地は所得配分として意義が高いと評価され、品目や景気の変動のバリアが関連している。今年度の予測修正や来年度の当初予算の中で、国民の信頼を支えにする「年控えの壁」政策が大きく関与し、逆に長期的な成長に影響を及ぼすことも懸念される。
大方の視点から、日本の経済成長もまた大きな影響を受ける可能性があり、国民が定義する安定的な利回りはやがて重要な要素になるだろう。来年の夜明けまでに、選挙を控えた日本の自民党や各種国民政党が政権奪還を目指している最中、米国から流入する金利や資金の流れも関わってくると考えられている。
このような見通しから、ドル/円相場は日本国内での経済対策を考慮しながら、国際的な金融市場の流動性や需給バランスの変化に敏感に反応する必要がある。