
コラム:続く「紙幣の価値」、ドル/円相場の動向が示すもの
2025-09-12
著者: 海斗
東京 11月12日
ドル/円相場の動向が続いている。過去1カ月間のドル/円は116〜119円のレンジ内で上昇している。この間、主要通貨の中で円は7位、ドルは8位のパフォーマンスとなっており、円もドルも弱い状況が続いている。相場のレンジが狭くなっていることが分かる。
円もドルも弱い状態をよく示しているのは金の価格である。金の価格は円建てでもドル建ても史上最高値を超えて勢いよく上昇している。最近、「金の価格はどこまで上昇するのか」「こんな高値でも少しずつ金投資をしていくべきか」という問いを受ける。筆者は、日本の両方の金融政策や中央銀行を巡る環境を考えれば、金の価格はまだまだ大きく上昇すると思っている。
金の価格が上昇している中での紙幣の価値の行方
それは金の価格が上がると考えているからでなく、紙幣の価値が下がると考えられるからだ。金の価格が上昇しているのは、それと対になる紙幣の価値が下がっている証拠であることを意味する。近年のように中央銀行の独立性が強まれば、円もドルも上昇基調にあると考えられており、金利も金融政策に関わらず動くことが考えられる。
最近のドル/円交換での金融政策は不透明感が強い。最近1カ月、日本11年国債金利と米国10年国債金利格差も縮小傾向にあり、要注意な局面にある。特に金利の動向に影響を与えるドル/円相場がどう動くか、特に注目する必要がある。
ためらう中央銀行の金利政策
来週は日銀の金融政策決定会合が開催される。依然として金融緩和政策が続かざるを得ないという見方が強い中、米国連邦準備制度の金利政策との関連性が高いと考えられている。今年のように中央銀行の難しい舵取り次第で円安が進む可能性も高い。だが、少なくとも中央銀行の政策は意識される必要がある。
国債市場はすでに来週の利下げを織り込んでいることが多く、年内三回の利下げを織り込めつつあり、来年の利下げも期待される。このように政府は金利政策に関しても目を配るだろう。政府の重要な金利政策をはじめ、多くの政策動向に注目する必要がある。