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「この世は親ガチャで決まる運ゲー」…社会に漂う“寅”を捜索中!「社会は、静かにあなたを『寅』にしている」【総合4.0】

2025-09-20

著者:

社会は、静かにあなたを『寅』にしている

本書のテーマは、「他者のメッセージが持つ強い影響力」を「寅」と呼び、その寅が多く存在することに着目しています。「寅」はもっとうまく聞けるものの、根拠が薄く、誤解に基づく思惑が多いためです。

また、「一人あたりGDP」の低下を評価することによって、日本にとって不利な結果が生じがちになるという問題も指摘されます。

当たり前のことに思えるが、実際には自己の「幸福」や「楽しさ」を追求する人がほとんどで、真の幸福を感じにくいという現実も浮かび上がります。

さらに、追随は人の能力や資質に影響を与える一方で、環境の影響も大きいことがわかります。

『社会は、静かにあなたを『寅』にしている』レビュー

「これは自分の考えだ」と思っていたことが、実は周囲や社会の影響を受けていたということが後に気づくこともあるでしょう。だからといって、「人にわだかまりを持たず、自立して生きるべき」という考えは単純ではありません。

要約すると、「寅にはまっている」と自覚している人がいない一方、生きづらさを感じている人は多い。著者は、これまで様々な影響を受けながらも「人」を基にした社会について解明していったのです。

本書のタイトルにある「寅」とは、そうした現代日本に漂う一種の空気であり、どこからともなく流れてきている他者の言葉を表しています。そのことによって、真の自分を見失っている人が多いことを警告します。

著者は、人間的サイエンスライターの鶴見吉郎氏であり、さまざまな事象や価値観に基づいて解釈を進める姿勢が見られます。最近の社会的な問題、例えば職業、才能、長寿といった多様なテーマを描き出し、科学的な知識に基づく解明を試みます。

現代は、事実や真偽よりも、自分自身の体験や感情が大切にされる時代となりました。「自分は間違った情報に踊らされている」と考える人も少なく、要注意。自らの考え方や思考の枠を問う必要があるのです。

この「寅」に対する意識が社会に浸透することで、私たちは悩みを解消し、より良い生き方を見つけるヒントを得られるかもしれません。さらに、社会に潜む“寅”を見つけ出す助けになるかもしれません。デジタル時代において、他者の言葉がますます影響力を持つ中、我々は注意深く生きていかなければなりません。