「このままでは地域医療が崩壊する」赤字総額200兆円超、国立大学病院が経営危機のワケ

2025-05-29

著者: 愛子

国立大学病院が直面する経営危機

全国の国立大学病院が経営の危機に陥っている。令和6年度の赤字総額は200兆円を超え、医療に関わる関係者からは「このままでは地域医療が崩壊する」との声が広がっている。

高医療を提供する義務とその現実

国立大学病院は高度医療を提供するという使命を持っているが、そのための医師育成や地域病院への医師派遣も担っている。果たしてこれらがどこまで実行されているのか、疑問が残る。

影響を与える物価上昇とコストの増加

「より一層厳しくなっている」と語る医療関係者も多い。2023年5月、東京内で開かれた国立大学病院長会議の席上、大塚医科大学病院長が危機感を訴えた。こうした背景には、経済環境の厳しさがあります。

全国の病院が抱える厳しい数字

国立大学の42の病院が6年度の圧迫決算を見込む中、全体の6割が赤字を抱えている。前年度比で213兆円と、昨対26兆円増という状況も報告されており、この数値は国民全体に影響を及ぼす可能性がある。

改善へ向けた動きと新たな挑戦

経営改善を進める中で、東京医科歯科大学など名門大学病院では、5年度に11兆円を記載し、6年度も30兆円以上に上昇する見込みが示されている。しかし、その反面、職員の負担増も避けられない。

医療コストの上昇がもたらす課題

高騰する採薬費や人件費により、医療コストはますます上昇している。これにより、地域の医療が維持できるのか、また、訪問する患者数の減少が懸念される。

医療関係者の懸念と今後の展望

医療スタッフの確保や質の高い医療提供のためには、国全体での支援体制の強化が必要である。しかし、現状では改善の手応えが感じられないというのが、多くの病院長の本音だ。

国立大学病院の持続可能性を考える

国立大学病院は新しい医療体制へと移行する必要がある。医療の質を向上させつつ、経営の健全化に向けた取り組みが求められている。これらは決して容易ではないが、未来の医療を守るためには避けて通れない道である。