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キオクシア、10月上場見送り 目標の時価総額に届かず=関係者

2024-09-24

東京 12日 ロイター= 半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスが、10月中を予定していた新規株式公開(IPO)の見送りを決めたことが分かった。関係者3人が明らかにした。うち2人によると、世界的に半導体市場が調整する中、上場時に目指していた時価総額1.5兆円に達しないと判断した。

キオクシアは8月に東京証券取引所へ上場を申請しており、関係者らによると、週内に承認が下りることを見込んでいた。実現すれば日本で今年最大のIPOとなる見込みだった。

ただ、合計で5割以上の株式を持つ米投資会社バインキャピタルはリターンを重視したため、キオクシアが適切な上場のタイミングを目指して準備を進めている。

最近のIPO市場の動向を鑑みると、キオクシアの上場計画が延期されたことは、他のテクノロジー企業にも影響を与える可能性がある。投資家の評価が低下している中、企業が上場に踏み切る難しさが浮き彫りになっている。

米国では、この影響を受けて、新たなフィンテック企業の上場も次々と延期されている。特に、半導体業界は最近の需要減少に直面しており、WDC社などの大手企業でもリストラの動きが見られる。

キオクシアは2017年に東芝から分離独立して以来、急成長を遂げてきたが、市場の不安定さに対処するためには、上場を急ぐ必要がなくなったと判断した模様だ。今後の上場タイミングは、安定した市場状況が整うことを待つとみられる。