科学

絶対零度を超える物質の温度は「この世の何よりも熱い」

2024-12-23

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物の温度はこの世の何よりも熱い

この世で最も寒い温度として知られる絶対零度(0K=-273.15℃)ですが、最近の研究によれば、ここからさらに進んだ興味深い現象が確認されています。

物質の温度は、内部の原子の運動エネルギーに基づいて決まります。絶対零度近く、物質はほとんど動かなくなり、エネルギーは残りの粒子に集中します。しかし、温度が上昇することで、エネルギーは多様化し、物質はさまざまな状態に変わることがわかっています。

たとえば、100℃の液体内部では、「すべてが100℃相当のエネルギーを保持している」わけではなく、一部の高エネルギー粒子と多くの低エネルギー粒子に分かれています。このため、全体のエネルギー分布は、高エネルギー粒子が少数存在する状況に支配されています。

様々な条件下で、相対的に100℃の状態を維持すると、その場合のエネルギー分布はおおよそ100℃に固定されているわけではなく、高エネルギー粒子と低エネルギー粒子が共存していることがほとんどです。

温度が100℃を示すということは、高エネルギー粒子とそれに反比例する低エネルギー粒子がランダムに分布しているためです。実際には1億℃あるいは1兆℃であっても、絶対零度での物質とは異なり、エネルギー分布は依然として高エネルギー粒子に偏っていることが多いです。

言い換えれば、高温でも実際には低エネルギー粒子に大量が寄る一方で、物質自体は熱い状態を維持することがあるということです。

古典物理学の世界では、絶対零度を超えた温度が持つ特異な性質は、エネルギー分布の観点からも非常に興味深いものです。"絶対零度"の物質に対する研究は進み続けており、これにより新たな物理的理解や技術に繋がる期待が寄せられています。