今やペリー! JR「パノラマグリーン車」ももう運行しない? 開発中の新型に採用されないまま30年ぶり
2025-01-01
著者: 裕美
前面展望を楽しめる国鉄時代の特急形車両
前面展望が楽しめる国鉄時代の特急形車両「パノラマグリーン車」。分割民営化に伴いサービスアップの観点から、先頭車両から運転台越しの前面展望を楽しめるパノラマグリーン車が登場しました。しかし近年は、あまり採用例の見られない設備です。
名古屋鉄道7000系「パノラマカー」の登場
展望車は国鉄時代には実現せず、1961(昭和36)年に登場した名古屋鉄道7000系「パノラマカー」からです。それまでも半室運転台の車両などで前面展望を楽しめましたが、特急列車のウリとされたのはこれが初めてでした。
国鉄151系特急と展望車の提案
この少し前、国鉄が151系特急形電車に展望車を連結することになり、車両メーカは「キット」「キロッテ」を先頭にした展望車を提案しました。「テ」は展望車の意味です。151系はパノラマカーのように、運転台を客室の上に配する展望車を設ける構想でしたが、実現せずに7列×幅2mの側窓を備えたクロ151「パーラーカーフ」となっています。
観光列車「アルファコンチネンタルエクスプレス」の登場
国鉄改革が行われる最中の1984(昭和59)年、キハ56系気動車を改造し、運転台越しの前面展望が楽しめる観光列車「アルファコンチネンタルエクスプレス」が登場すると、これが好評を博しました。
100系新幹線の後継「スーパーカーり」の設計
こうした流れを受け国鉄は1987(昭和62)年、100系新幹線の後継となる「スーパーカーり」を「スーパーカイデッカーで、前面展望可能」とし、モックアップを製作しました。基礎まで少し伸ばした大きな側窓、前面展望可能な前頭部、テレビーが付いた座席を備えたものにしましたが、それのような構造にすることで倍率が増し270km/h運転が行えないことや、超高速での前面展望はバードストライクが怖いといったこともあり、断念されました。
在来線特急における展望室の導入
しかし、そのような制約が少ない在来線特急では、展望室を取り入れたサービスアップが加速します。
JRのパノラマグリーン車について
観光用車両以外で、前面展望可能なJRのパノラマグリーン車には、どのようなものがあるでしょうか。