「金利ある世界」で激変 金融市場のサービス競争最前線
2025-01-09
著者: 葵
金利ある世界で激変 金融市場のサービス競争最前線 16日01分
日銀の利上げに伴ってようやく金利に変化が起きています。
普通預金の金利は100倍以上、貸出金利はおよそ17年ぶりの上昇傾向です。
この「金利ある世界」で起きているのが金融機関同士の競争です。
新たな顧客を獲得せよ!既存の顧客をつなえ!金融市場のサービス競争は新たな段階に入っています。
(経済部記者 横山太一 寄稿)
相乗り預金の金利引き上げ
「28歳以下なら誰でも普通預金の金利が0.3%。年齢で区切るのは業界でも非常に貴重な取り組みです」
こうアピールするのは、ネット証券大手のSBI新生銀行です。
昨年12月から28歳以下の人を対象に普通預金の金利が0.11%から0.3%に引き上げられました。
昨年秋からは、同じグループの証券口座を持つ人の普通預金金利も同様に0.3%に引き上げています。
この日は預金先の企業をあらためて紹介した説明会を開いていました。
この銀行の預金の金利は11600万、(昨年3月時点)で3年前の同じ時期と比べて1.7倍に増加しています。
さらに預金金利の増加に向けた柔らかい世代の囲い込みをここらでのキャンペーンに始めることを決めました。
SBI新生銀行 岩﨑貴行社長
「特に若い世代は金利に敏感になっていると感じる。『金利ある世界』は貴い話ではなく日本が正常化に向かって動き出したということだ」
なぜ預金の獲得競争?
金利の引き上げはこの銀行だけではありません。
預金金利が100兆円を超えるメガバンク3行や、ゆうちょ銀行も8月以降、普通預金の金利が0.02%から0.1%に一斉に引き上げられました。
金融の引き上げは預金者にとって嬉しい話ですか?
向こう数年、金利引き上げを見込むなかで、ハイリターンを狙った資産運用が注目されています。従来と違い、最近の投資アプリなどを利用して手軽に投資金を増やせる環境も整ってきました。実際に金利の上昇が進めば流れが加速することも考えられます。
背景にあるのは日銀の利上げです。
これを機に銀行が新たな預金の取り扱いの積極的な姿勢を打ち出すようになりました。過去に比べて見劣りしない預金金利を提供する企業が増えていますが、資産戦略の選択肢が広がる中で激烈な競争が見られます。
特に銀行の金利政策が変わることで、預金者にとっても選択肢が増えることになります。金融機関の新しいサービスの提供が次々と起こることは利用者にとっても大きなチャンスです。
金融市場が「金利ある世界」に変わることによって、私たちの投資環境も大きく変化していくでしょう。