街角に現れる圧の「サックス族」 風情と音色で話題、その正体は? | 毎日新聞

2025-01-12

著者: 健二

名古屋市の街角に現れる圧のある「サックス族」が話題を呼んでいる。編成がさりげなく、着物姿でサックスを奏でる。彼らに憧れるファンも多く、名古屋の新たな「観光スポット」となりつつある。

昨年12月初旬、「サックス族」は同市昭和区の鶴舞公園にいた。寒空の下でサックスを持つ彼ら。実際に見ると不思議な光景だ。和服で編まれた「流人絵」をかぶり、顔が見えそうで見えないところが想像力をかきたてる。

演奏が始まり、流れていったのはMISIAの「アイノカタチ」や、中島美嘉の「雪の華」などバラードの数々。柔らかい音色に思わず立ち止まる通行人も多く、公園はまさに音楽の舞台に変わった。

サックス族の正体は、名古屋市で40代男性からなる、妻と長男、長女の4人家族で、昼間は会社員として働き、夕方から街角で演奏をしているという。聞いたところによると、サックスは趣味で始めたそうだが、長男がある日、仕事の帰りにサックスを興味を持だし、自作の楽譜を持ち寄るようになったという。

しかし、「サックス族」は決して普通のサックス愛好者ではない。楽器の音で人の心をつかむだけでなく、彼らの演奏には人の心を明るくする力も秘めている。あるメンバーは、「自分の音楽で誰かに感動を与えられることができてとても嬉しい。」と語る。演奏中、笑顔を忘れない姿が印象的だ。

さらに、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でも彼らの演奏は注目を集め、フォロワー数は10万人を超えた。彼らは「人間パフォーマンス集団」と自推薦し、現在も東京都内や他県でも演奏する機会を増やしている。

「音楽は人生そのもの。毎回、心を込めて全力です。」と話す彼らの姿が、さらに多くの人を惹きつけている。街角での出会いから、始まるストーリーは、彼らの音楽によって豊かに彩られている。