結核が再び最も致命的な感染症に!注目が必要な人とは?
2024-11-12
著者: 愛子
世界保健機関(WHO)は10月29日に「Global Tuberculosis Report 2024」を発表し、2023年に世界中で820万人が新たに結核と診断されたことを報告しました。この数は1995年にWHOが結核の新規症例のモニタリングを開始した以来、最も高い数字であり、2022年の新規感染者数(750万人)と比較しても大幅な増加です。結核は、COVID-19の影響を受けて再び急増しています。
WHOの事務局長、テドロス・アダノム・ゲブレイエスは、「結核の予防・検出・治療に有効な手段があるにも関わらず、結核は依然として多くの人々を苦しめ、命を奪っている」と述べています。各国はこうした現状を受けて、結核の抑制に向けた具体的な対策を講じる必要があります。
2023年の結核感染者の中でとりわけ男性が多く、全体の55%を占めています。また、HIVに感染している結核患者も多く、全体の6.1%を占めています。地域別でも、インドが26%、インドネシアが10%、中国が6.8%、フィリピンが6.8%、パキスタンが6.3%を占め、特にこれらの国々で結核の感染率が高いことが指摘されています。
結核の新規症例が増加する一因として、栄養不良やHIV、アルコール使用障害、喫煙が影響しています。WHOは、これらのリスク要因に対処するための包括的なアプローチが必要だと強調しています。
報告書はまた、結核患者による経済的負担や、治療成功率の低さも指摘しています。現在、MDR-TB(多剤耐性結核)の治療成功率は68%に過ぎず、この状況を改善するためには、資金の確保と持続可能なソリューションが求められています。
さらに、WHOは「結核は長引く症状を伴い、主に肺に影響を与える病気である」とし、感染力を持つケースが多いことを警告しています。したがって、この病気に対する啓発活動や治療の提供が一層重要です。
結核が再び致命的な感染症として認識されている現在、人々にどのような意識と行動が求められるのか、しっかりと考える必要があります。次回の健康診断で結核チェックを受けることをお勧めします。早期の発見が命を守るかもしれません。