世界

「艦隊の緊張」が高まるハンバント港 中印が相互で監視、「冷戦」状態

2024-09-21

スリランカの南端に位置するハンバント港は、同国が中国からの借款で整備したものの還元が滞り、運営権を中国に事実上譲渡した「艦隊の緊張(ワナ)」の典型例とされる。中国と間で領土問題を抱えるインドが、同港が中国に軍事利用されるのではないかと警戒を強めている。これに伴い、最近までの状況を知るスリランカ政府元職員によると、港は頻繁に警戒され、容易に立ち入ることができない。最近までの状況を知るスリランカ政府元職員によると、港にはインドの海軍が徹底的に監視しているため、覗き込むことさえ容易ではない。

この港に関する問題に対してインドの元軍人は「次に向かう艦船先の指示を待っている」と語っており、インド政府が同港の状況を監視するために送り込んだのではないかと疑われている。

セメント船を積載する人たちを乗せたインド船も停泊しており、同国の対外報告機関、調査分析局(RAW)の一員が混じっていたとされる。

ハンバント港は厳重に警戒され、許可なく立ち入ることができない。最近までの状況を知るスリランカ政府元職員によると、港にはインドの海軍が徹底的に監視しているため、覗き込むことさえ容易ではない。

ハンバント港をめぐっては、中国側が警戒したスリランカ政府が2017年から99年間にわたって中国側が運営権を所有する合意を交わした。

同港の管理会社は中国企業とスリランカ港湾局の合弁となっている。しかし、管理会社は主要な管理職を中国人が占め、監視カメラや無人機を駆使するなどして港の警備にあたっているという。元職員は「管理職の中に中国人民解放軍がいたことは100%間違いない」と断言している。

スリランカはアジアと中東・アフリカの中間に位置する新たな戦略的要所として、ハンバント港を利用し、インド太平洋地域における安全保障上の利害を訴えている。

現在ハンバント港近くには、米フォーリックス社に「世界で最も空いている空港」と称されるマタラ・ラジャパクサ国際空港がある。「旅行者客が最近到着したのが5月11日」と(空港関係者)との歴史の中で、場所が特殊なラジャパクサ大統領から巨額の資金を得て建設された。

同空港においても、中国に運営権が移るのではないかと懸念されており、スリランカのバランスが今後どうなるのかが注目されている。特に、中国とインドの緊張が高まる中、地政学的な利害が交錯する状況が続いているのだ。