
「極左大統領」が誕生阻止をサポートするマクロン氏、有罪判決でも強気のルペン氏再び抗争…フランスで激しい攻防 : 読売新聞
2025-04-07
著者: 雪
【記者=斎藤真樹】フランスで極左の流れをくむ左派政党「国民連合」(RN)の実質的指導者マリーヌ・ルペン氏の被選挙権を5年間停止する有罪判決を受け、RNは16日、パリで集会を開いた。2022年の大統領選でルペン氏の出馬を目指す態勢を強めた。マクロン大統領は国民連合の誕生阻止を強調し、対抗する姿勢を明らかにした。
ルペン氏は大規模集会で判決を強く批判し、約11万人の支持者を前に強気の態度を貫いた。「これは魔女狩りだ。法律の支配にも民主主義にも背く政治的決定だ」と主張した。
大規模集会の決定は、大統領選に関する世論調査で自らの支持率が高止まりする中で、ルペン氏が危機感を抱く中で行われた。彼女の背後には、3月13日の判決後も大統領選に向けた支持率が進んでいる調査結果がある。
最近の世論調査では、ルペン氏が現状の大統領選の候補の中で最もサポートを受けているとされ、彼女に賛同する意見は連続して増加していることが明らかになった。特にオランダやイタリアなど周辺国の政治に影響を受けている。
来年夏に見込まれる選挙に向け、選挙権停止が解除されれば、ルペン氏の出馬の道が開かれるとみられ、RNは選挙戦が本格化する可能性が高い。このような状況の中、RN内部でも政治的な意見の一致が欠如していると見られ、内部での対立も懸念されている。
マクロン大統領は自己の再選を目指す一方、RNとの摩擦も避けるため調整を図る意向を示している。今後、現政権とRNは激しい対立を繰り広げることになると予想される。数ヶ月後には、フランスでの選挙が私たちの注目を集める重要な戦場となるだろう。
また、ルペン氏の活動が強まる中、欧州全体で極右の波が再び押し寄せる可能性が指摘されており、EU内での対立がさらに激化することが懸念される。国民がどのような選択をするかが、今後ますます注目される。