
イスラエル軍、ガザ救急隊員殺害で当初の説明を修正 調査は継続
2025-04-07
著者: 結衣
[エルサレム 6日 記者リポート] - イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザ南部のラファ近郊で国連職員らが死亡した救急車への攻撃について、新たな詳細を明らかにし、当初の説明を修正した。だが、現在も調査中である。
イスラエル軍は当初、無灯火で識別もない「不審な」車両が接近してきたため発砲したと発表していた。さらに、パレスチナ赤新月の救急詰め所に乗っていたイスラエル軍の特殊部隊員9人を殺害したと主要報道していた。
しかし、死亡した男性の携帯電話から回収された動画には、ライトを点灯した救急車と消防車があったことが確認されており、制服を着た救急隊員が隠れる様子が映っていた。
事件の唯一の生存者とされるパレスチナ赤新月の救急医療チーム員も、明確な識別を行い救急対応車両が発砲された際に、危険であることを証言している。
イスラエル軍当局者は5日、記者団に対し、現場からの最初の報告書には灯火に関する記述がなかったと釈明した。「現時点で分かっているのは、最初の説明をした人物が誤っていたということである。その理由を説明している」と語った。
「われわれの情報によれば、現場にはテロリストがいた。しかし捜査はまだ完了していない」と述べた。
また、軍は救急隊員に手伝い、至近距離から発砲したとの報告を否定した。
「イスラエル軍が事件を隠蔽しようとした事実は一切なく、直接に国連に通報した」と説明した。また、国連が直前に所在について知らされていたものの、イスラエルに対して数日間現場への立ち入りを拒否されたと述べた。
米国家安全保障会議のヒューストン部長は、ガザにおける医療従事者の保護の重要性を訴え、国連の立場も支持していることを強調した。「国際法により、医療従事者とその設備は特別な保護を受けるべきであり、敵対的な行為から守られるべきである」と強調した。
今回の事件は、深刻な国際的な論争を呼び起こしており、イスラエル軍による攻撃の合法性と民間人保護に関する疑問を投げかけている。多くの人にとって、この問題は進行中の紛争における人道的な危機の象徴となっている。
今後も、イスラエルとパレスチナの間の衝突の中で、こうした事件が繰り返される可能性が高く、多くの市民がさらなる影響を受けると懸念されている。国際社会はこの問題に注視し賢明な対応を求められるだろう。