フランス格下げ、ムーディーズが財政悪化懸念を指摘
2024-12-13
著者: 雪
フランスの信用格付けが「AA3」に引き下げられた。前回の格付けは「AA2」であった。フランス政府は財政赤字削減に取り組んでいるが、政策の混乱が深刻化しているとの懸念が広がっている。特に、最近の政治的不安定性はフランス経済に対する信頼を損なわせており、国際的な声も厳しくなっている。
ムーディーズは14日の発表資料で、今回の格下げは「今後数年にわたり、財政政策が大幅に悪化することへの警戒感」を反映していると説明した。次期内閣が今後数年以内に財政赤字の抑制に向けた具体的な手段を講じられない場合、格下げの可能性がさらに高まると警告している。
また、極右政党である国民連合(RN)が政権を握った場合、既存の経済政策がさらに混乱することが懸念されている。これにより、フランスが持つ強固な経済基盤は脅かされる恐れがあり、国際的な投資家にとってもリスク要因となる。特に、日本をはじめとする外国投資家も、フランス市場に対する見方を厳しくしている。
2025年までの経済見通しでも、フランス政府の財政策が持続可能なレベルに戻ることは難しいとされており、再建策が急務となっている。政府内では、ムーディーズの警告を受け止め、より一層の財政改革に向けた議論が必要とされているが、政局の流動性から実現が難しい状況が続いている。政府の信任が失われる中、経済成長の道筋をいかに確保するかが、大きな課題となっている。
現在、フランスの消費支出や企業収益は予想を下回っており、経済全体の動向は依然として厳しい様相を呈している。これに伴い、政府はさらなる刺激策を模索する必要があり、経済回復を図るためには抜本的な対策が求められている。政治的圧力が増す中、今後の財政運営がどのように行われるのか、多くの目が注がれている。