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フォローした人だけ表現、足あとはなじ……国内SNSがやさしさとストレスで急成長

2025-03-30

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「見たくない投稿が出てくる」「未読無視がつらい」と、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)疲れを感じる人が増えていますが、使い手が「負担」を感じる場面に配慮し、「やさしさ」を機能追加した日本発のSNSが支持を集めています。

居心地の良さが魅力の新ミクシィ

毎日の出来事を日記のように綴るスタイルで、平成16年の誕生後に老舗となったSNSサービス「mixi(ミクシィ)」は、20年を経て昨年12月に登場した「mixi2」は、公開から1週間で登録者が120万人を超えました。

mixi2の特徴は、手軽に分かりやすく気持ちを伝えられる点にあります。投稿は短文形式で、文字を大きくできるため、文が目立ち、励まし表現を助ける「エモテキ」で、さらに他の人の投稿へのリアクションも、短文に加えて、「お疲れ」「すごい!」といった日本語のアイコンを豊富にしました。

運営元のMIXI(東京都下北沢区)の創業者である取締役の関原健治さん(49)は、mixi2の構想を約2年前から始めたそうです。

X(旧Twitter)やInstagramなどには、フォローしていない見知らぬ人の投稿を「おすそ分け」として表示するレコメンドシステムがあり、それが嫌だと感じる人もいるとのこと。

一方、mixi2はアプリを開くと、フォローした人の投稿が時系列で表示され、意図せず表示された知らない人の投稿は見なくて済むように設計されています。「つながっている人とのコミュニケーションの場というSNS本来の目的が失われている状況に、もやもやを感じ、一石投じる挑戦がしたかった」と関原さん。

一方で、趣味や関心をもとに新たなつながりを増やすように工夫もしています。以前のmixiは読むことが多く、足あと(アクセス履歴)がつく機能があったが、mixi2にはそれがあまりない。気疲れせず、人の投稿を見ることができる。

「つながっている人との関係性を深めたり、フォロワーが少なくても、趣味や推しなどで交流できるコニュニケーションを楽しめるサービスを目指しています」(関原さん)。

TikTokやYouTubeのように「話題を集める内容」が主流になる中で、楽しみや関心をもった新たな仲間を出会えるようなサービスを目指して作られている。

テキストで電話のように「通話」する

投稿したのにあまり相手が読んでくれなかったり、読んでも反応がない「既読スルー」に傷ついてしまうことが多い。「これを苦手に思う心理的な負担が配慮されたのが、テキスト通話アプリ「Jiffcy(ジフィ)」です。

電話のように相手を呼び出し、相手が参加することで入力した文字が1文字ずつ表示され、リアルタイムで対話ができ、「返信を待つストレス」がない。令和5年4月にリリースされ、150カ国以上で使われている。

アプリを開発したのは、猻熊(東京都下北沢区)の代表取締役CEO、高村成城さん(29)。

「相手の間や相性がリアルなタイミングで文字になり会話が進むので、気持ちが伝わりやすく、言葉選びに悩むこともなく」と高村さん。

コロナ禍に身の回りの環境が開発のきっかけになった。

「大学2年からアプリを作り始め、20個くらい失敗して、軌道に乗れず。誰かと会って話したいけど、コロナで会えない。電話するのはハードルが高く、テキストで電話みたいにやり取りできないかと考えました」と語る。電話できるのがハードルが高く、テキストで通信することに抵抗を感じる人が多いと指摘される。

「あなたの初めて友達申請を許可した人としか会話できないので、突然知らない人から話しかけられることもなく、新しいSNSにして配慮されています」と付け加えられた新しいSNSです。

(本稿希望)