フィジテレ「ACのCMだけ」いつまで続くのか? 簡単に通常CMを再開できない広告主のジレンマ、局に寄付を求める動きも加速するか(マネーポストWEB)
2025-01-25
著者: 葵
フィジテレの現状
現在ネット上では「フィジテレ、ACのCMだけ」といった声や、ネットユーザーを撥ね付けると受け入れられつつある「決めつけ委員」といったACのCMがフィジテレの中で流れていることを肌で感じる意見が、多数書き込まれています。このようにACが話題になるのは2011年の東日本大震災の時以来ではないでしょうか。はたして今回のフィジの件がいつまで続くかと言えば、「顔を出した時まで」といった判断になるでしょう。
企業の広告戦略と影響
中居さんは持つ公的な立場を表明しましたが、そのほかにも、17%の株を保有する外資系ファンドが取得した時、社長や幹部が引責辞任した時、関連したプロデューサーが職を解かれた時など、様々な対策が“世界の空気感”として捉えられるものになるまで続くように思えます。2011年の東日本大震災の時は、3月11日の発生時から3月いっぱいいまで、関東ではACのCMだけになりました。全国放送がそうだったため、特にその印象は強かった。しかも、4月になると「どんどん日常に戻ろう」といった空気感も出てきた。
震災後のCM再開の試行錯誤
私は当時、ある日用商品メーカーの宣伝担当を務めており、「震災後 企業CMはどんな表現・時期に流すべきか宣伝部長苦悩」といった記事を執筆しました。そこで、日常を感じられるCMを流すのにどのような配慮をし、オネエとしてこれを受けた企業側の苦悩を知ることができました。同じく4月頃は「どんどん企業CMを流そう」と各広告主が考えていましたが、一方でCM再開に向けての“逆チキンレース”と呼ばれるべき状態でもありました。
逆チキンレースの存在
当時はネットの書き込みで「ACのCMばかり見ると気分が落ち込む」といったものが多かった。そこで各社は別企業の宣伝担当者と情報交換をしながら通常CM復活のタイミングを模索したのですが、なかなか始められない。これが「逆チキンレース」です。チキンレースとは「煽り時」を競うものですが、この時は「再開時」に対して他社を横目で見ながら判断していったのです。