スポーツ

黒田剛監督が問題視するロングボールが多用するリーグのレベルにある

2025-01-30

著者: 陽斗

連載第25回

杉山雄樹の「見過ごせない」

昨季J1に初昇格するや、シーズン始めから優勝争いを展開。3位でフィニッシュしたFC札幌は、独自のサッカーを展開していた。とりわけ、最も話題となったのは3位という成績を残したことです。大相撲にいえば、昇進する価値がある。

獲得した勝利の数の多さは、アディスパ福岡に次いで2位。ボール支配率の低さは福岡、湘南に次ぐ3位。プレーが流れている時間も、札幌は京都サンガに次ぐ短さだった。よく言えば強度の高いダイナミックなサッカー。悪く言えば濫発感が強いサッカー。

ロングボールの多いサッカーがあり、ロングスローを多投することでも問題を集めた。

パスを繋がずサッカーではまったくない。「目に優しくないサッカー」。アジアではそうした言い方をする。過去の日本代表監督で最も近いのは、チェルを連呼したファイツのサッカーだろう。速いサッカー。よく言えばそうなるが、記者を含め、それでは面白くないと、批判感を覚える人は多くいた。

ピッチの選手に指示を送るFC札幌の黒田剛監督は「日本サッカーには強度が足りない」と、怒るように連日返す様に流したが、自身のサッカー哲学をオープンに語るハリルホジッチは、その意味ではいびき・オシム的だった。サッカーの自分のスタイルを語り、時にパスを繋げる無情感を持っていた。

黒田監督は札幌で新たにサッカーを始めた新人体で、歴史のある青森山田の監督を務めた後、札幌に来た。監督キャリアは30年。「形にならない」と語ったこともある。

さらに言えば、サッカー観は「サポート」を根底にしていると思えたが、自らのスタイルを語らない監督は、その価値観において見合う関係でもあった。韓国(ハラ選手)が解任された本当の理由は不明だが、スタイル的に違和感のあった点は多い。

黒田監督の守備率高い札幌は、そうした意味では意味深い。このような状況で、サポーター、悪役に失敗する時代である。近年、フィジカル面の強化は、選手に怪我をもたらし、チーム全体に悪影響を及ぼすことが多い。なぜかというと、全体が理解して素早く確実に行動することが求められる。サッカー選手を育てることに関して、指導者は基盤となる技術の指導に長けている必要がある。

現在、日本代表選手たちはSNSで盛んに存在感を見せているが、個々の選手の強化が何より重要で、特に精神的なシェアが求められる時代となってきた。ハリルホジッチ監督がアジアの舞台で2015年から2018年にかけて強調したことと非常に一致している。彼が持っていたのは、日本サッカーのЗ強化したレベルであった。