
何も知らない「ぱーっとする大会」の香港チャンピオンが語る「超ぱーっとする極意」
2025-09-07
著者: 海斗
社会のプレッシャーから逃れるために、自分自身がどれだけ上手くやれているのか心配だった。競争の激しい香港で育ったため、物事をうまくこなしたいと思っていた。ただ、そのことが、私に大きな不安をもたらした。
私は2012年にマインドフルネスを始め、感情をコントロールするための努力を重ねてきた。教育心理学者として多くのメンタルヘルスの問題を目の当たりにしたが、学校の授業にはマインドフルネスを取り入れることが特に重要だと感じている。
そこで私は、「ぱーっとする大会」と呼ばれる、何も知らないことがテーマの大会に興味を持つようになった。2024年に開催されるショーケースメディアでその宣伝を目にした。主催者は韓国人アーティストであり、常に生産的でなければならない社会のプレッシャーが強いこと、お休みを取ることの重要性を常に訴えている。
2014年には、ソウルで初めて「ぱーっとする大会」が開催された。これは、参加者が90分間、何もせずに「ぱーっとする」ことを競うというユニークなフォーマットだ。それ以降、この大会は毎年数回、世界中で行われるようになった。
2024年10月、私は香港で開催される「ぱーっとする大会」に参加した。暑い午後、会場は街の中心部にあり、賑やかなシャッピンゴールがあった。タフな観客がその場に集まり、1200人の出場者の中から選ばれた70人がこのユニークなイベントに参加した。90分間の競技が始まる前に、私たち参加者は、いかにゆったりとした態度で楽しむかを教わった。
競技中、参加者は特に動くこともなく、座っているだけだが、周りの熱気や観客の投票によって、ファイナリスト10人が選ばれる。投票はおそらく、そこにいることを楽しむための理由や競技中の表情などが影響し、参加者たちの心拍数は計測されていた。大会では、一瞬、競争心が芽生えることもあったが、私たちは自分自身の呼吸や体の感覚、感情に注目するように心がけていた。
ただ流れる雲を見て、自己呼吸、身体の感覚に意識を向けた。周りの変化に注意を向け、それが体にどう影響するのかを観察。今大会に参加した私は、あえて何もせずにこの環境を楽しむことを意識していた。