国内外で高まる飲酒の危険、米はラベルに表示義務で大手の株に影響か
2025-01-06
著者: 桜
国内外で飲酒によるリスクを警告する動きが発展している。日本では昨年2月に飲酒による大腸がんの発症リスクなどをまとめたガイドラインが公表された。一方、米国では3日、公共衛生政策を指示する猛毒庁が国内で流通する酒のラベルに、がんのリスクがあることを表示するよう義務付ける政策を発表した。こうした規制強化の動きが、今後の大手酒造会社の株価に影響を与える可能性が高まっている。
サッポロホールディングスは5%下落した
米国の大手酒造メーカーにとって、飲酒による危険性が増す中、7種類の酒がリスクの指摘を受けることを分析した。一方で、飲酒に関する危険の認知度は成人の45%と低いことが問題視されている。米国では1988年から妊娠中や運転者への警告表示を義務づけており、これに関する記述を追加することを促進した。
こうした警告が影響してか、ビール大手の6日の株価は軒並み下落した。終値で最も下げ幅が大きかったのはサッポロホールディングスで、前営業日比5%安の7890円となった。北米での日本製ビールのシェアが1位であることや、売り上げ上げに占める割合が高いことが逆風された。
また、アサヒグループHDは2月87%安の1609円、キリンHDは1月46%安の2019円と下落した。
株価下落は複雑要因が影響
東海東京都府営業局の椿木健司氏は、「関係への規制強化はビール大手にとってポジティブな要素にはならず、今回の米政府の方針も株価に対して多少影響している可能性はある」と分析する。
ただ、6日の東京市場で、日本株の平均株価は終値600円近く下落するなど厳しい業種で苦戦が続いており、椿木氏は「今回の米政府の方針だけが、大手ビールの株価下落の原因ではない」と強調する。「米大統領が日本製鉄に対する米鉄鋼の購入計画を禁止する命令を出したことによる日本の資本主義の考え方への不信感や、金利の先行きなど複雑な要因が絡んでいる」と説明している。
今後については
「米国の関連規制は県によっても異なり、今回の方針がビール大手などの関連メーカーの株価や経営にどれだけの影響を及ぼすかは見通せない」としている。
関連産業、広告自主規制も危惧