科学

観測史上最大最長のブラックホールが発見、天の川銀河140億分、長さは2300万光年

2024-09-22

地球から75億光年離れた超巨大ブラックホールが、天の川銀河140億分に相当する、長さ2300万光年の巨大な宇宙ジャイアントとして放出されていることが観測された。

「Porphyrion(ポルフィリオン)」の発見

このブラックホールは、ギリシャ神話の巨人「Porphyrion(ポルフィリオン)」と名付けられた。

その宇宙ジャイアントは超巨大質量ブラックホールの巣から放出されており、エネルギーは太陽の数兆倍にも達しており、これは単一の天体によって作られた構造としては、観測史上最大で最長のものであるとされている。

超巨大質量ブラックホールが放出する巨星な宇宙ジャイアント

宇宙ジャイアントとは、中心となる重力天体から双方向に吹き出しているプラズマガスの流れのことで、中心となる重力天体には、原始星、コンパクト星、巨大質量ブラックホールなどがある。

特にブラックホールから放出される宇宙ジャイアントは大規模なもので多く「ブラックホールジャイアント」とも呼ばれる。

ポルフィリオンの発見についての研究者のコメント

史上最大にして最長のブラックホールジャイアント「ポルフィリオン」を発見したオランダ、ライデン大学のマルティン・オイ氏によれば、ポルフィリオンは約410億年にわたって真一文字に放出され続けているという。

これまでブラックホールジャイアントが存在する限界は1600万光年ほどと言われていた。

ところがポルフィリオンの長さは2300万光年で、銀河同士のネットワーク「コズミック」に匹敵する。

オイ氏は動物の中で、ポルフィリオンは原理上どこまでも存在するだろうことを示していると説明している。

エネルギーの謎

その一方で、その中心にある超巨大質量ブラックホールが、どこからこれまでのエネルギーを得て、どのようにしてこの巨大構造を維持しているのかは謎に包まれている。

なぜブラックホールはジャイアントを放出するのか?

ブラックホールの重力にとらわれた物質は、すべてが飲み込まれるわけではなく、一部はその猛烈な重力の作用で光速近くまで加速されて放出される。

これがブラックホールジャイアントの観測される宇宙ジャイアントだ。

ポルフィリオンの発見以前にも、大小含め数多くのジャイアントの存在が知られていた。中にはスターバースターのデス・スターを思わせるものもある。

だがオリジナルにあたる電波望遠鏡「LOFAR」によって、その数は1万を優に超えることになった。