健康

高照度光療法は非季節性うつ病者にも有効!他:日経メディカル

2024-10-31

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(1) JAMA Psychiatry誌から 高照度光療法は非季節性うつ病者にも有効

ブラジルのマットグロッソ連邦大学のアルトゥール・メネガズ・デ・アライマ教授は、非季節性うつ病患者の治療において、高照度光療法(BLT)が主に抗うつ薬と併用されることに注目し、無作為比較試験(RCT)を行った。その結果、BLTは非季節性のうつ病患者に対しても効果があることが確認された。この研究成果は、2024年10月2日のJAMA Psychiatry電子版に掲載される予定である。

確認された内容は、特に秋冬に気分の落ち込みを感じる患者にとって、季節によらない治療オプションとしての光療法の重要性を示している。この治療法は、特に心理的ストレスを抱える都市部の住民にとって、精神的健康を改善する一助となる可能性がある。

(2) JAMA Network Open誌から CAR-T療法後の血液悪性腫瘍での心血管リスク

ハイデルベルク大学病院のデヴィッド・ケッカーリング教授は、血液悪性腫瘍の患者に対し、CAR-T細胞療法を実施し、その後の心血管リスクについて調査した。この研究は、心不全や心室性不整脈の有病率を低く抑えられるものの、全体的なリスクは高いことが示され、2024年10月7日のJAMA Network Open電子版に掲載される予定である。

これにより、 CAR-T療法を受けている患者に対して、心臓の健康状態を定期的にチェックすることが重要であるとの意見が広がっている。心血管疾患の早期発見や治療が、患者の生存率を向上させる可能性があるからだ。

(3) eClinicalMedicine誌から 重度の精神疾患患者は呼吸器感染による死亡リスクが高い

イギリスのキングス・カレッジ・ロンドンのエイミー・ロナルドソン教授は、重度の精神疾患(SMI)を有する患者が一般の人よりも致死的な呼吸器感染にかかるリスクが高いことを確認した。この結果は、2024年10月8日のeClinicalMedicine電子版に掲載される予定である。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に影響された重度の精神疾患患者は特に死亡率が高く、今後の医学的対策が求められる状況だ。

(4) JAMA Network Open誌から HPVワクチンは子宮頸部上皮内腫瘍の患者にも有効

米国のメルク社のアルハジ・チェリフ氏は、HPVワクチンが子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)のある女性にも効果的であることを示す研究を発表した。その結果は2024年10月4日のJAMA Network Open電子版に掲載される予定であり、多くの医師がこのワクチンを積極的に推奨する動機となるだろう。

このワクチン接種が、子宮頸がんの予防に寄与し、女性の健康維持に繋がるとの期待が高まっている。

(5) JAMA誌から 急性脳損傷患者への輸血はいつ始めるべきか?

ベルギー自由大学のファビオ・シルヴィオ・タッコーネ教授は、急性脳損傷患者において、どの段階で赤血球輸血を開始すべきかの基準を調査した研究を発表した。この研究成果は2024年10月9日のJAMA電子版に掲載される予定だ。時期によって患者の予後が変わる可能性があるため、今後の研究が期待されている。

このように、最新の研究成果は精神的、身体的健康に多くの示唆を与えており、今後の医療方針に影響を与えることは間違いない。