
健康
がん治療の新たな希望!PBRM1が転移を制御するメカニズムを解明
2025-06-03
著者: 裕美
がんの新たな戦いの武器とは?
がんは早期発見が難しく、転移が進むと治療が極めて困難になる病気です。しかし、最近の研究でがん悪性化に関与する分子機構が明らかになりました。福島県立医科大学の研究チームが、がん増殖において重要な役割を果たすPBRM1というタンパク質に注目し、そのメカニズムを解明したのです。
PBRM1とがん未分化化の関係
PBRM1の発現が低いがん細胞は、がん生物学的に未分化であり、特に悪性度の高いBasal/Squamousタイプのがんにおいてその傾向が強いことが確認されました。このことから、PBRM1ががん細胞の性質に大きな影響を与えていることが示唆されています。彼らの研究では、PBRM1の機能を喪失することで、転移能力が向上し、治療抵抗性を示すことが観察されました。
がん治療に向けた新たなアプローチ
研究チームは、Vimentinというタンパク質の発現とPBRM1の関連性にも注目しました。Vimentinの増加は、がん細胞の移動能力を高め、転移を助長することが分かっています。したがって、PBRM1の発現を制御することで、Vimentinの発現を抑える新たな治療法の開発が期待されています。
未来のがん治療に希望を!
本研究の成果は2025年6月2日に、国際的な医学雑誌『Journal of Clinical Investigation』に発表されます。この研究が進展すれば、がん治療における新しい戦略として、PBRM1とVimentinの関連が持つ可能性が広まるでしょう。今後の研究に期待が寄せられます。