テクノロジー
【福田のセミコン業界最前線】キオクシア、3D NANDフラッシュの記憶密度を2倍に高める新しいアーキテクチャを開発
2025-01-19
著者: 桜
キオクシアは、3D NANDフラッシュメモリの技術で新たな突破口を迎えた。彼らは、記憶密度を2倍に高める新しいアーキテクチャ「HCF(Horizontal Channel Flash)」を開発した。この技術は、国際的な学術会議「IEDM」にて2024年12月11日(米国時間)に発表される予定だ。
この新たなアーキテクチャでは、メモリセルの配置方法を最適化し、形成されるワイヤ構造を増やすことで、データの取り扱い能力を飛躍的に向上させることができる。具体的には、セルの成長を直線状に整え、より高いアクセス速度を実現することを目指している。
さらに、この技術の適用によって、3D NANDフラッシュメモリの性能は格段に向上する。不安定な電圧の問題も減少させたことで、より高い耐障害性を確保したのだ。また、キオクシアは今後、産業用途での展開を視野に入れており、AIや自動運転といった最先端技術にもこの新技術を応用していく意向を示している。
近年、データの蓄積・処理能力が求められる中で、3D NANDは大容量化を進めているが、問題も多い。特に、トランジスタの数が増えることによる電力損失や熱問題が顕在化してきたため、キオクシアの取り組みは非常に重要である。今後の成長が期待されるこの分野で、キオクシアは業界の主導権を握る可能性がある。
現在、データセンターやクラウドストレージといった需要が急速に増加しており、3D NAND技術の需要は高まる一方だ。このような背景を踏まえ、キオクシアの新技術が市場にどのような影響を与えるのか、注目が集まっている。