ビジネス

福井:大規模会議増 加速する地域ニュース : 読売新聞

2024-09-20

消費期待 増加傾向

北陸新幹線が延伸開業した県内で、学術や経済関連の大規模会議などが増えている。県などは、会議出張者が県内の観光名所を巡るなど誘致な活動を強化している。国外からの誘客にも力を入れている。 (坂上大邁)

開催時期活用

福井市内で6月下旬に開かれた耳鼻咽喉科関連の会議。参加した医師ら12人は会議前日に大規模バスで県立恐竜博物館(勝山市)に向かい、骨格標本などに見入った。東京都の医師は「せっかく福井に来たので、開催時期を活用して観光名所も知りたかった」と語った。

約1100人が参加した会議の会場には、県観光連盟の観光FCが設置された。利用した北九州市の男性医師(58)は「福井は初めて。レンタカーであわら市に行く」と話していた。

多くの助成金

県内で約150人以上が参加する会議などの実績は増加傾向で、新型コロナウイルス感染症前の2019年度は819件、感染が落ち着いた2022年度は810件だったが、新幹線延伸後の今年度は約1130件に達する見通しだ。

要因の一つに多くの助成金がある。県などは新幹線延伸を見据えて19年度から、県外からの参加者が宿泊する大規模会議に対し、最大で190万円、全国大会では1200万円を助成。2022年度からは、県観光協会が福井出身の研究者らに会議の福井開催を呼びかけてきた。

耳鼻咽喉科関連の事務局の担当者は「助成金と新幹線が福井改名のきっかけになった」として、県は様々な会議の参加者が観光地を巡る演出を考えており、観光振興へとつなげていく考えだ。

国外から誘客

県観光連盟が行う全国会議の開催や海外企業の研修の行われる場が、県内での国際会議や企業の研究に関連することにもつながる。

6月には、ドイツ・フランクフルトで開かれた大規模な商談会に県の事業者も参加。英語が堪能な職員が新たなビジネスチャンスを開さつするなど、外国人のお客をターゲットにした集客のためのPR活動が展開された。

福井県からの誘客により、7月上旬には新たな観光名所や飲食店が増えると予想されている。特に、体験型のアクティビティや特産品を取り入れた観光プランが人気を集め、訪れる観光客に新しい思い出を提供することが期待されている。