科学

ElevationSpace、地球への帰還するカプセルの高度1.8kmからの回帰試験に成功

2024-09-25

2024年9月18日、福岡県南相馬市の海岸で、株式会社ElevationSpace(代表取締役CEO:小林啓平)が、宇宙環境利用・回帰プラットフォーム「ELS-R」の初号機「あおば」の回帰カプセルによる「大気圏再突入カプセルの高度1.8kmからの回帰試験」を実施し、これに成功したと発表しました。

同社は宇宙の無重力環境を生かした実験や実証を行っており、今回の試験は、宇宙からの帰還時の安全性を確認するための重要なステップとなります。カプセルは、無人の小型衛星を用いて行われた実験後に地球に帰還し、これを視覚的に記録するためのサービス「ELS-R」の実施に向けた取り組みを進めました。

今回の「大気圏再突入カプセルの高度1.8kmからの回帰試験」は、カプセルの回帰プロセスの確認のために、多くの技術的な要素を詰め込んだ試験です。目標は、次の三つのポイントを確認することです: 1. 下部にパラシュートを放出し、パラシュートによる減速を行うこと 2. カプセル飛行中・着水時の飛行環境データを取得すること 3. 着水後にフローテーションバッグなど必要な装備が機能し、CPM(カプセルの回帰方向)が回転すること

試験は2024年9月12日~13日にかけて、現地自治体・企業からのバックアップを得ながら、福岡県南相馬市の海岸で行われました。

試験の結果、1)は達成できなかったものの、2)の一部、または3)について正常に動作することを確認しました。

無人で宇宙実験を行い、その成果物を無事地球に帰還させる取り組みが確立されることが同社のサービス実現に向けて重要です。今回の試験では、カプセルの一部の機能が期待通りに機能しないなどの技術的な課題が発生し、ElevationSpaceでは今後、その原因を追求して問題部分の修正を行い、次回試験に向けて全ての技術の検証を完了させるとしています。

「ELS-R」の初号機(愛称:あおば)は2025年の打ち上げが予定されており、今後の開発の推移にも注目が集まっています。