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東証社員がインサイダー疑惑、改革要請の中で表面化 - JCRS株は下落

2024-10-23

著者: 健二

東京証券取引所の社員がインサイダー取引の疑惑で、証券取引等監視委員会の調査を受けていることが明らかになった。この疑惑は、企業情報の取り扱いにおいて最も重要な行動が求められる場面において、上場企業に対し東証がコーポレートガバナンス(企業統治)の改善を求めている中で発生している。

日本取引所グループ(JPX)は23日、同じ日に東証社員に関する監視委の調査が行われたとグループとして全面的に協力する意向を示した。今後提出されるべき事項が決定した段階においては速やかに公表されるという。

この調査の結果、東証の役員職に従事している社員が事前開示内容に基づき株式を売買した疑惑があると報じられている。また、監視委は9月から調査を開始し、関連情報が明らかになり次第、証券取引の公正を守るために公表する意向である。

23日の日本取引所でのJPX株の取引は一時前日比1.9%安と、約11カ月ぶり安値を更新した。市場全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は1.1%下落。投資家はこの問題が引き起こす影響を懸念し、売り圧力が強まった。

青木一郎副社長は同日午前の記者会見で、「金融庁と東証の社員が続けて証券取引等監視委員会の調査を受けることは重大な懸念だ」と述べた。また、再発防止策を徹底し、日本の金融市場の信頼確保に向けた取り組みが必要であると強調した。

特に2021年にコーポレートガバナンスの改革が実施されて以来、企業の透明性と説明責任が求められるようになった。しかし、今回の事件が果たしてそれが十分に機能しているのか疑わしい意見もあり、疑惑が浸透することで市場の信頼が損なわれる危険性がある。

さらに、過去には同様の事件があったことも忘れてはならず、信頼回復への道のりは容易ではない。市場関係者は規制当局の迅速な対応と企業自らのガバナンス向上を望んでいる。