テクノロジー

東京大学とNTTが新素材EV・再燃普及へ!

2025-01-26

著者:

東京大学とNTTの研究チームが、窒化アルミニウム(AlN)製の新しい半導体デバイスを開発しました。この材料は、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)よりも高性能で、次世代の半導体素材として注目されています。鉄道や電力系統などの高耐圧用の半導体として実用化を目指しています。

再生可能エネルギーや電気自動車(EV)の普及に伴い、電力の需要が急増しています。これにより、電力量を異常に変える「パワー半導体」デバイスの必要性が高まる中、AlN半導体は「崩壊電圧」と呼ばれる指標が高く、使用時の電力損失が理論上はSiCやGaNよりも小さくなることが予想されています。このため、次世代のパワー半導体素材として期待が寄せられています。

研究グループは、AlNと電極の間に「窒化アルミニウム合金(AlGaN)」という新しく設計されたバッファ層を導入しました。このAlGaNは、AlNとGaNの中間のような材料で、電気的性質がGaNに近く、対抗側がAlNの性質に近くなることが特徴です。これにより、電子の流れが劇的に改善され、実用化に向けた道が開かれました。

デバイスの電気的な特性も明らかになり、「ショットキー型バリアダイオード」と呼ばれるパワー半導体デバイスの開発にも成功しています。高効率の電力変換を可能にし、エネルギーのロスを最小限に抑えることが期待されています。

東京大学の前田教授は、「AlN系半導体デバイスの開発は大きな進展を見せており、今後もさらなる研究と実用化に向けた取り組みを進めていく」とコメントしています。2024年12月には、半導体の国際会議「IEDM」にてこの成果が発表される予定です。この発表が、新たな技術革新を引き起こすことが期待されています。