DIC川村記念美術館(千葉県)で休館2カ月延期へ 来館者急増で「より多くのお客様に美術館をお楽しみいただくため」 株式会社発表
2024-09-30
2025年1月下旬に休館する方針を公表していたDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)の株式会社は9月30日、休館開始を2カ月延期することを発表しました。来館者の急増が理由です。
同館を運営する化学会社DICは8月、社外取締役4人による委員会から、「東京への移転や美術館運営の中止」の2件を検討するよう提言されていました。同館所蔵の美術品が保有資産として有効活用されていないという理由からです。この議論を受けてDICの取締役会は、12月末までに方針を決定し、来年1月下旬に休館して実行に移すことにしました。
急激な来館者数の増加
急激な来館者数の増加は大きな波を生み出し、地元の佐倉市は9月5日から存続を求める陳情を始めました。
来場者も急増しており、館内のレストランは10月まで予約で満杯となり、同館では定員の持ち込みを呼び掛けています。キッチンカーも導入されたばかりで、人員の調整は無理になっています。
9月14日から「最後の企画展」として始まった「西川勝人 静寂の響き」には来場者が殺到しています。ゲストを招いた「クロストーク」、学芸員の「ギャラリートーク」、スタッフによる「ガイドツアー」などの企画中のイベントは、「安全確保のため」として事前予約制となりました。
16人以上の団体の受け入れも中止。団体は「15人以下で平日の10時から11時、14時30分から16時半に入場できること」といった条件を課されています。JR佐倉駅や京成佐倉駅と同館を結ぶ無料送迎バスも増便されました。
「2025年3月下旬まで」と発表です。