
ダークエネルギーに関する新たな理論が示唆する「宇宙の終わり方」(ギズモード・ジャパン)
2025-04-02
著者: 花
ダークエネルギーが…弱まっている?
900人以上の研究者が関与する国際的な取り組みであるDESI(ダークエネルギー分光装置)が、新たなリークを発表しました。その中で、これまでの「ダークエネルギー」の概念を根本から変える仮説を立てています。ダークエネルギーはこれまで未知の物質である「ダークマター」と同様に、不可視の存在として認識されていました。「ダークマター」は宇宙の質量のうち27%を占め、私たちが観測できる物質(目に見えるもの)はわずか5%ほどです。そして、残りの68%が「ダークエネルギー」とされているのです。実は、この質量は約100億年前から現在まで維持されていると考えられており、今後100億年後も変わらないだろうというのがこれまでの通説でした。
しかし、DESIの調査に関連するクリンバンド大学の物理学者、ロッサーナ・ルゲッリ氏は、この通説が「ラムダCDMモデル」と呼ばれる現在の支配的な宇宙モデルに「矛盾を生みかねない可能性」を示唆すると述べています。
今回のDESIの発表では、その通説を覆す仮説が提唱されています。ダークエネルギーは時間とともに性質が変化しており、その結果として宇宙の拡張が加速する場合があるのではないかというのです。ダークエネルギーの強度が過去45億年で10%減少した可能性も示されており、従来の考え方とは逆に、重力の引き締めを引き起こす可能性があると報告されています。
この最新の研究により、「ダークエネルギー」が時間とともに変化することで、ビッグクランチの可能性が再評価されることになるかもしれません。
ルゲッリ氏は、「ダークエネルギーが時間によって変わるのであれば、宇宙の終焉にも深刻な影響を与える可能性がある」と指摘しています。彼女によると、ダークエネルギーの変化が観測された場合、私たちが理解している宇宙の未来像は大きく変わる可能性があります。また、ダークエネルギーの理解が進むことで、宇宙の成り立ちや進化についての新たな知見が得られることも期待されています。近日中に発表されるDESIの続報にも注目が必要です。果たして、この研究が宇宙の今後にどのような影響を及ぼすのか、目が離せません。