早稲田大学は11月17日、同大卒の小説家・村上春樹さん（75）に名誉博士の学位を授与した。早稲田が小説家に名誉博士号を授与するのは初めての試みである。

大講義室で行われた授与式では、村上さんが黒いスーツにジョーンズとスニーカーを合わせたカジュアルなスタイルで登場。田中愛治学長から学位記を受け取った際、彼は「僕は適当な学生だったので、授与される理由が見当たらない」と笑顔で言った。

村上さんは1980年に早稲田大学第一文学部を卒業。その後、彼の小説は世界中で愛されるベストセラーとなり、日本文学の顔ともいえる存在となった。彼の作品は、独特なスタイルと幻想的なストーリーで知られ、多くの読者に感動を与えている。

受賞後の取材では、「早稲田大学に来るような小説を書いていたわけではないが、こうして名誉博士をいただけることは光栄だ」と語り、新たな挑戦についての期待を語った。彼は文学を通じて人々に影響を与えられることの喜びを語った。

また、村上さんは自身の学生時代を振り返り、「大学時代は自由で、自分を見つめ直す大切な時間だった。これからの若い学生たちにも、自由な思考を大事にしてほしい」と述べ、次世代へのメッセージを送った。

村上春樹さんの名誉博士号授与は、文学の分野での業績を評価する一環であり、早稲田大学としても今後の文学界への貢献を期待している。彼の新たな挑戦に今後も注目が集まる。