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チャゴス諸島の権利移譲で合意、イギリスとモーリシャス出身者が異議申し立てを繰り返しながらも撤回

2025-05-23

著者: 裕美

チャゴス諸島に関するイギリスとモーリシャスの間での権利移譲の合意がなされ、モーリシャス出身者たちが再度異議申し立てを行っていることが報じられています。

イギリスのキタ・スターマー首相は22日、チアゴス諸島の主権をモーリシャスに移譲する計画を発表し、同じ島内にある軍事基地に年間100万ポンド(現在の相場で約190億円)をリースする内容に合意したことを強調しました。

スターマー首相は、この合意について「基盤の長期的な維持のためには唯一の方法であり、イギリスの国家安全保障を強化するものだ」と述べました。

合意に基づき、イギリスはチアゴス諸島の主権をモーリシャスに移譲しますが、ディエゴ・ガルシア島にある軍事基地については、アメリカとの有効な整備のため今後99年間の「当初期時間」が設定されています。

これに対し、最大野党・保護党は「国に特化した自傷行為だ」と強く批判しています。「モーリシャスとの関係を通じて中国への依存が高まっている」と警告しています。

また、合意の直前に、チャゴス諸島出身者2人による異議申し立てが明らかになっています。最終的にこの異議は撤回され、合意は成立しました。

チャゴス諸島は1968年にイギリスによって譲渡されて以来、モーリシャス政府はその返還を求めてきました。しかし、モーリシャスの政権は、軍事基地の重要性を理由に、この譲渡に対して非常に慎重な態度を取り続けています。

今後、この権利移譲に対する国内外の反応がどのように展開していくのかが注目される中、国民の安全保障及び国益とのバランスをどのようにとるかが問われています。

最後に、イギリス側は、モーリシャスにおいて過去の歴史に関しても、未来へ向けた重要な対話を開始する用意があることを伝えています。