科学

産業技術総合研究所、CO2からギ酸を直接合成する水素の運び手に - 日本経済新聞

2024-11-10

著者: 結衣

産業技術総合研究所と筑波大学は、CO2を二酸化炭素(CO2)から水素を通じて直接合成する新しい手法を開発した。この手法は、CO2を排出せず、水素を活用することによって、有望な化学品である「ギ酸」を生成するものである。

ギ酸は化学原料や燃料としての利用が期待されており、特にその高いエネルギー密度と、CO2を基にして生成できる点が注目されている。この新しいプロセスは、CO2排出量を削減しながらも、持続可能な社会に向けた貢献ができる技術とされている。

一般的に、ギ酸を生成するには化学反応の管理が必要で、温度や圧力、触媒の選定が重要な要素となる。研究では、CO2の効率的な還元反応を行うために、高温での実験が効果的であることが示された。これにより、ギ酸の合成が劇的に改善される可能性がある。

研究チームは、CO2から水素を利用してギ酸を生成するために、化学反応のメカニズムを解明することに成功した。これにより、より効率的なギ酸の生産が可能となり、さらなる商業化が期待されている。

この技術は、気候変動対策にも寄与することができるため、多くの業界から関心が寄せられている。今後、産業界全体での導入を進めることで、CO2の削減と持続可能な資源循環が実現する可能性が高い。