ブラックホールM87の降着円盤が一部逆回転している可能性が判明(2025年1月23日)
2025-01-23
著者: 結衣
ブラックホールM87の降着円盤が一部逆回転している可能性が判明。
国際的な天文学者チームが、M87という巨大な超大質量ブラックホールの周囲に存在する降着円盤についての研究を行い、その結果、降着円盤の一部が逆回転している兆候が観測された。この研究は、2017年と2018年に得られた放射の観測結果を基にしており、ブラックホールの特性やその周辺環境について新たな洞察を提供している。
この研究は、イベントホライズン望遠鏡(EHT)によって得られた1万2000枚以上の理論的シミュレーション画像をもとに、観測データと照らし合わせて行われた。M87の自転軸が地球と反対方向を向いていることが示されており、これは降着円盤が形成される過程での物質の動きに影響を与えていることを示唆している。
さらに、M87の中央値に位置する重力の影響を受けたガス流の質量流出が、研究者たちによって分析された。これにより、降着円盤の流動状態やその運動状態が、様々な条件下でどのように変化するかが明らかになってきた。
なお、この研究の結果は、Astronomy and Astrophysicsというジャーナルにも発表されており、広範な国際共同研究の成果として注目を集めている。
2019年に公開されたM87の初のブラックホール画像は、我々が宇宙の理解を深める上で重要な一歩となった。M87は、地球から約5500万光年離れた場所に位置する巨大小周星団の中心に存在するブラックホールであり、その質量は太陽の650億倍にも達するとされている。
この最新の研究により、超大質量ブラックホールに対する理解がさらに進むことが期待されている。観測されたデータは、今後の研究においても貴重な基礎石となることでしょう。