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ボーイング、最終赤字400億円 7~9月期決算、ストライキ打撃

2024-10-23

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ボーイングの最終損益の発表

航空機大手のボーイングが23日に発表した2024年7~9月期決算は、最終損益が61億4700万ドル(約9474億円)の赤字だった。前年同期(16億43800万ドルの赤字)から大幅に悪化した。この16年ぶりのストライキの発生で工場の稼働が停止したことや、新型機開発の遅れで民間機と防衛宇宙の両部門で大幅損失を計上した。

赤字の継続と要因

ボーイングは製品品質問題が影響し、22年7~9月から赤字が続く。赤字幅としては新型コロナウイルス禍が直打撃した20年4~12月以来の大きさだ。カリフォルニア州オルタバレーでのストライキが発生し、この時から1月には航空中小型機の墜落に繋がる事案が発生し、工場の品質改善に取り組んでいた。

売上高とキャッシュフローの状況

売上高は前年同期比41%減の178億4000万ドルだった。業務キャッシュフロー(現金収入)は13億4500万ドルの赤字(前年同期は2200万ドルの黒字)で、9月末の手元資金(現金・現金同等物と短期預金)は105億ドルで、3カ月前に比べて17%減った。

部門別の赤字状況

民間部門は40億2100万ドルの赤字だった。ストで工場が停止したことから、次期大型機「777X」の納期が1年遅れたため損失を計上した。防衛宇宙部門は23億4800万ドルの赤字となった。軍用訓練機や空中給油機、新型防衛艦などの開発・生産が遅れたためだ。

今後の対応とスケジュール

ストを巡りボーイングは新たな資金調達案を提示しており、労組は23日に合同投票で否決を決める。ボーイングは数カ月以内に全世界の従業員の10%を削減してコストを減らす。今後3年で新株と社債の発行で最大250億ドルを資金調達し、財務体質の改善も急ぐ。