北陸新幹線の遅延問題−新大宮間延伸ルート選定が大揺れ…財源や地元理解の行方は依然不透明
2024-12-04
著者: 花
北陸新幹線の延伸に向けて、詳細なルートの選定に関する議論が大きな注目を集めている。自民、公明の与党議員で構成する整備推進委員会が14日に福井県の関係者からの聞き取りを始めた。年間のルート決定に向けて議論を加速させる考えだが、財源や軌道自動車の理解を解決すべき課題は多く残り、来年度の着工には視界不良が続く。
知事「国の発展に不可欠」
与党整備推進委は14日開いた会合に、福井県の杉本達治知事と西日本旅客鉄道(JR西日本)の長谷川一明社長が出席した。会合後に杉本知事は、「延伸は国の発展に不可欠だ。着工に向けて早期に決断をしてほしい」と述べ、国に対して早急な対応を呼びかけた。
ここのところ、与党整備推進委は国会において過去の予算に基づく拡充策を打ち出し、新たな延伸の実現に向けた動きを本格化させている。具体的には、新幹線延伸の経済効果を試算し、地域経済への波及効果を確認する調査報告書を提出し、地域住民の理解を得ようとしている。
財源確保の難しさ
ただし、最大の障壁と言われるのは財源確保だ。国は新たなインフラ整備に伴い財政負担を強いられる上、他の地域と調整しなければならないため、難航が予想される。先日の会合で、国土交通省は本年度の予算見積もりを引き上げる方針を示したが、来年度の財政措置に対してはあまり期待できないとの声も上がっている。
地元理解の獲得
また、地元理解の獲得も課題。特に新幹線の駅設置に伴う地域環境への影響が懸念されており、住民からの反発も見込まれる。整備推進委は、住民説明会を設け、意見の収集を進める意向を示している。また、周辺地域との調整も重要であり、地域の持続可能な発展を考慮した計画が求められている。
北陸新幹線の延伸は、地域経済の活性化や観光促進のみならず、国全体の交通網の整備にも寄与する重要なプロジェクトであるが、依然として克服すべき課題は山積している。今後の動向が注目される。