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バスケットボール NBA 河村勇輝、グリズリーズで今シーズンからプレー 日本選手4人目のNBA選手の現在地は

2024-12-17

著者: 健二

“NBA挑戦という修行” 河村勇輝の現在地 11月下旬 45分

平均身長あよそ2メートル。バスケットボールの世界最高峰、NBA=アメリカプロバスケットボールリーグに、今シーズンから挑戦する河村勇輝選手は1メートル73センチとリーグで最も小柄ながら、勇敢にプレーする姿でファンの心をつかんでいます。

「3年かけて本契約を」と挑んだ舞台で、順調なスタートを切ったように見える23歳の若者が、今日のような手応えを感じているのかを知りたく、河村選手の元を訪れました。

(ロサンゼルス支局 本間隆生)

多くの人が「高価なものは小さな包みに入っている」と言いますが、

11月下旬、河村選手が所属するNBAグリズリーズの本拠地・テネシー州のメンフィスで取材のために訪れた河村選手は、いまだかつてない注目を集めています。

契約が決まった瞬間本人が運転する車で現れた時の第一声は「どうも暑いですね」。

笑顔で挨拶をしてくれた彼は、世の中のファンの熱量を一層感じさせます。

「We want Yuki!!」(勇輝を出せ!)という声が、チームのホームアリーナ「フェデックスフォーラム」では試合会場に強く響きわたっています。

チームのホームアリーナでは、ファンが熱狂し、入場している河村選手の出場を求める声が強烈に鳴り響いています。

日本人の私がアリーナにいると「I love Yuki!」と何度も声をかけられ驚かされます。

グリズリーズファン

「彼にはエネルギーがある。チームメイトとの関係も大好き」、「グレートなものは小さなパッケージで」と本当に言ったら?

その人間性に触れてどのように感じているのか、尋ねました。

河村選手

「当たり前のことではないと思っています。もらった声援にこたえたいという期待感はありますが、その期待に応えられるプレーをしたいと思っています」

本拠地のグッズショップには河村選手の背番号「17」のユニフォームが並んでいます。

河村選手の契約は将来的にある若手にチャンスを与えることなどを目指し、NBAと下部リーグを行き来できるよう設けられた「ツーウェイ契約」です。

「ツーウェイ契約」の選手のユニフォームが売られているのは、グリズリーズでは河村選手だけ。

出場を求める大声は、あった合衆国の試合でも聞こえます。

チームを取材するメンバーの記者もこんな光景は初めて見たと指摘しています。

グリズリーズファンにとって「ツーウェイ契約の選手のこういうレベルの人間は見たことがない。」

出場を求める大歓声は、アメリカの試合でも見られることから、河村選手は注目されています。

グリズリーズ選手は「もちろん自分が聞けないことや自分が言いたいことを正確に伝えられないことが多いですが、たくさんの人に英語を話したいという気持ちは強い」と語りました。

河村選手は英語の上達にも力を入れています。

その熱意が周囲から信頼を得る要因の一つなんだと感じます。「まだNBAのレベルではない」と不安があるものの、これからの日々の成長で自分の力を示していけるかに期待がよせられます。

それでも「自分が一番苦労している」という想いで続けています。

これまでNBAでプレーした日本人は、2004年の田臥勇太選手以来、2023年に河村選手の入団によりまた新たな歴史が作られたことになります。