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バイデン氏、中東和平手助け レバノンに戦線維持大 - 日本経済新聞

2024-09-26

著者: 裕美

【シャーロット(ミノースカロライナ州)】バイデン米大統領が描く中東の平和構想が手詰まりに陥っている。イスラエルはレバノンに対しても戦線を広げ、パレスチナ自治区ガザの停戦協議は事実上中止された。残り4カ月を切った任期中の「レガシー(政治的遺産)」づくりは、レバノンでの攻撃と増す緊張のなかで進展していない。

バイデン氏は25日、フランスのマクロン大統領との共同声明で、交戦するイスラエルとレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラとの戦線維持の重要性を強調した。万が一の事態には、アメリカが一致団結してこれに対応することを約束した。

また、バイデン政権は中東情勢の緊迫化に対応するため、地域に新たな軍隊を派遣する考えも示唆している。この地域におけるアメリカの役割がいかに重要かを示す今回の動きは、将来的な外交政策にも影響を与える可能性がある。

一方、今年に入り続いているイスラエルとパレスチナの対立はますます複雑化しており、両者間の停戦の道筋が見えなくなってきている。国際社会の圧力が高まる中、バイデン氏に課せられた任務の重さは増している。

中東和平を進めるためには、地域の安定が不可欠であると同時に、国際的な協力も必要不可欠だ。バイデン政権がどのようにこれらの課題に立ち向かうのか、今後の展開に注目が集まる。