
健康
アルツハイマー病の病理学的進行には性差あり:日経メディカル
2025-04-03
著者: 桜
アメリカのマサチューセッツ総合病院のギリアン・T・コフラン氏は、加齢とアルツハイマー病(AD)の関連を調査した6件の統合研究を利用し、ポジトロン放出断層撮影(PET)でα(Aβ)の蓄積レベルが高かった人を追跡し、その後複数回のタウPET検査データを調査したところ、女性の方が男性よりもタウ蓄積速度が有意に速かったと報告しました。結果は2025年7月3日のJAMA Neurology電子版に掲載されています。
AD患者には女性が多いことが知られています。これまでの研究では、同じ年齢の男性に比べて、女性の方がタウの蓄積レベルが高いことを示唆していました。しかし、タウの蓄積速度に性差があるかどうかは明らかではありませんでした。研究者たちは、Aβの蓄積レベルが高い状態の人では、男性よりも女性の方がタウの蓄積速度が速いという仮説を検討しました。
さらに、研究の結果は、性差に加えて、遺伝的要因やホルモンの影響がADの進行にどのように関与しているかを理解するための重要な手がかりを提供しています。今後の研究では、これらの要因を考慮に入れた新しい治療法の開発が期待されており、特に女性特有のリスク要因に基づいたアプローチが重要です。この発見は、アルツハイマー病に対する治療と予防戦略を見直すきっかけとなるでしょう。