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「安全を最優先に取り組む」 島根原発2号機、13年ぶりの営業運転再開へ

2025-01-11

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中国電力 島根原発2号機(松江市、82万キロワット)が10日、営業運転を再開しました。2012年1月に定期検査で運転を停止して以来、実に13年ぶりの運転です。

2号機は、11年3月の東日本大震災をきっかけに運転が停止された東電福島第一原発と同じ沸騰水型炉です。昨年12月7日に原子炉を起動し、調整運転を続けてきました。この日は、中国電が最終調査となる「総合負荷試験」を実施し、原子力規制委員会による「使用前確認」が完了。午後3時10分、確認書が交付され、調整運転から営業運転に移行しました。

島根原発の再稼働にあたり、周辺地域の信頼回復が求められています。島根県知事は、「中国電力には安全を最優先に営業運転を行ってもらう必要がある」と述べています。また、「福島の事例を教訓に、事故の場合の情報提供や原因の明確化を迅速に行うべきだ」と指摘しました。

さらに、島根県は再稼働に伴い、地域住民への定期的な説明会を開催し、運転状況や安全対策について情報を提供するとしています。各地で行われるこれらの説明会には、原発賛成派、反対派が参加し、活発な議論が行われることでしょう。

中国電力は、2023年度の電源三法交付金が50.1億円、また原発関連税収が7.5億円に達する見込みで、経済的な利益も期待されています。特に、県内の多くの市町での電源交付金の使途を巡り、住民からの期待も高まっています。

とはいえ、安全性に関する不安は根強く、今後も厳格な監視体制の下で運営していくことが求められます。島根原発の再稼働が地域経済に与える影響を注視しつつ、安全第一で運転を進めていくことが重要です。