AIの業務利用、従業員の約半数は上司に知られたくない――Slack調査
2024-11-13
著者: 花
ミズSlackは11月12日(現地時間)、半月に1度報告している世界の職場に関する調査「Workforce Index」の2024年秋版を発表した。調査の結果、デジタルワーカーの3分の2が依然としてAIツールを利用したことがなく、93%が業務関連のタスクにおいてAIの出力を完全に信頼していないことが明らかになった。
この調査は、オーストラリア、フランス、ドイツ、カナダ、日本、オランダ、シンガポール、スペイン、スイス、イギリス、アメリカのデジタルワーカー1万7372人が参加し、8月2日から30日の間に実施された。
2023年9月から2024年3月まで、AIの導入は世界中で着実に増加し、2024年3月には世界のデジタルワーカーの32%が導入した。しかも、アメリカやフランスなど、一部の国での過去3カ月間のAI導入率は停滞している。
企業の経営層はAIに全力で取り組んでおり、99%が2025年に向けてAIへの投資を計画している。一方で、生成AIの採用率は頭打ちになっており、デジタルワーカーの間でAIへの関心が変化しつつある可能性があるとSlackは分析する。
デジタルワーカーの半数(48%)は、職場における一般的な業務にAIを使用していることを上司に知られたくないと感じている。この主な理由は、AIの使用が不適切であると感じること、能力が低いと思われることへの恐れ、使い手だと思われることへの恐れである。
一方、AIのスキルアップには意欲的で、デジタルワーカーの76%がAIの専門家になることを望んでいる。
Slackは、職場でのAI導入率向上のためには、AI利用に関する明確なガイドラインとトレーニングの提供、AIが従業員の業務量を増加させるのではなく、より重要な業務に集中できるようにするための戦略が、従業員の不安や懸念に対処する上で重要であると提言している。
AIは業務を効率化する可能性がある一方で、依然として不安や疑念を抱えている従業員が多いことも浮き彫りになった。企業は従業員ひいてはAIの導入を実現するために、これらの懸念に真摯に向き合う必要がある。今後、どのようにDXやAIの導入が進んでいくのか、業界の動向に注目です。